韓国長老教会と市民グループ等の声明

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天安号の軍・民合同調査団の報告に対して、韓国で以下2つの声明が出されています。ぜひ転送して広めてください。

1)韓国長老教会の声明
2)市民グループと野党からなる団体の声明
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1)韓国長老教会の声明
http://nobasestorieskorea.blogspot.com/2010/05/text-fwd-comments-on-announcement-of.html

May 29,2010

COMMENTS ON THE ANNOUNCEMENT OF THE JOINT CIVILIAN-MILITARY INVESTIGATION
GROUP'S CONCLUSION
軍民合同調査団の調査の結論発表に関するコメント

—"Nothing is covered up that will not become known" Luke 12:2 

「隠されているもので知られずに済むものはない」(ルカ伝12章2)—

 私たちPROK(*韓国基督教長老会)は、韓国社会の民主主義、平和、生活のため祈り続ける団体であるため、韓国海軍船天安号が北朝鮮の潜水艦による魚雷攻撃で沈んだという、JIG (* Joint Civilian-Military Investigation Group軍民合同調査団)の調査結果の声明に対し、いくつか問題点を提起する。

 まず、私たちはJIGの捜査は最初から公平で客観的ではあり得ないことを指摘する。防衛省と軍は、共に今回の事件に最大の責任があるが、その両者が捜査全体を指揮した。両者はまた、6月2日の選挙運動の開始第1日目に間に合うよう、性急な発表を行ったが、それはその背景について疑問を残した。もし46名の若い船員の死を何らかの政治的な目的のために利用する意図があるのなら、それは彼らを再び殺すことになる。

 JIGの発表は何一つ説明せず、韓国の人々の間に多くの疑問を残したい。私たちは今、下記の疑問点を問うものである。

・私たちは、沈没の決定的瞬間がビデオ(TOD)にないのかが理解できない。JIGは無線の交信記録とCheonanのCCTV録音を公開しなければならない。

・もしCheonanが、水面下の魚雷の爆発による衝撃波と泡の影響のため沈んだのであれば、巨大な水中の目撃証言がなければならない。さらに、生存者の大半は、鼓魚雷爆発の一般的な兆候である鼓膜破裂、腸へのダメージ、骨折、裂傷の症状を起こしていない。

・当時西海の現場近くには韓国と米国の最新式の艦船が13隻いた。それらはそのときに、合同軍事訓練を行っていた。それらの13隻のひとつが、潜水艦・魚雷・航空機・ミサイル・対潜水艦イージス戦艦を検知し、それらに応戦する戦艦、Cheonanであった。なぜこれら最高技術をもつ艦船のどれひとつ、北朝鮮の潜水艦、あるいは魚雷の攻撃を検知できなかったのか?

・(調査中に)故人となったHan Joo-ho下士官はなぜ、船員たちがいた船首や船尾ではなく、第3の地点を捜査していたのか?なぜアメリカ大使と在韓米軍司令官が彼の葬式に出席して、遺族に哀悼の意を述べ弔慰金を支払ったのか?JIGは米国と韓国の艦船の衝突の可能性や、両国艦船艦の誤射に対して、広範な人々が抱く疑念に対する明確な説明を行わねばならない。

 JIGの発表によれば、北朝鮮の潜水艦一隻が、魚雷でCheonanを攻撃し、まったく検知されずに逃れたという。それは国家の安全保障を担う李大統領が、そういう事態の発生に全責任をとり、韓国市民に対して謝罪すべきであるということを意味する。防衛大臣、合同参謀長、海軍参謀長も同様にすべきである。
 JIGの発表はそれらの疑問に何一つ答えず、よりたくさんの疑問を残した。今やそのような韓国の指揮官たちは、責任をなすりつけ合うのをやめ、それを果たすときである。彼らは、上記の質問すべてに答える真実そのものを見つけるため、民間の専門家と野党を含む、新たな捜査団を結成しなければならない。

 私たちは真実を暴き、その後の対策を講じることに最善の努力行うことを約束しつつ、今一度、亡くなられた船員の遺族に哀悼の意を表明します。

2010年5月20日
牧師Kwon Young-Joung
平和と祖国統一委員会
牧師Jeon Byung-saeng
教会と社会委員会
韓国長老派教会
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2)市民グループと野党からなる団体の声明

http://nobasestorieskorea.blogspot.com/2010/05/text-fwd-statement-on-current-state-of.html
Statement on the Current State of Affairs for Peace on the Korean Peninsula  May, 29th, 2010

朝鮮半島の平和のため、現在の状況に関する声明 2010年5月29日

 私たち韓国の市民団体は、戦艦(warship)天安号の事件により引き起こされている現在の危機と対立を解消し、民主主義・共存・平和という私たちの目標に向かう大きな一歩を踏み出すため本日ここに集った。韓国海軍戦艦Cheonanが3月26日かなり不可思議な沈没をして以来、私たちの団体はその悲劇的出来事を共に悲しみ、その原因を明確にしようとし、再発を防止するため包括的な対応策を提示する努力をしてきた。

 しかしながら、一握りの政府と軍の関係者が「国家の安全保障」・「軍事機密」を装って、関連情報を厳重に管理し、それによりこの戦艦の沈没事件についての真実を究明しようと求める憂慮した市民の自発的な行動を妨害している。時期尚早の結論に達することについて李政権自ら警告し続けながら、その後必要な捜査が完了する以前に、説明のない仮説をいくつか含む報告を公表し、それにより多くの疑問を生じさせた。この捜査は自らの利害を持つ軍により行われ、軍が(調査団における)その役割を表面上ごまかしており、それゆえ非難されるべきであった。

 さらに、その調査を見直す十分な時間を市民や国会に許すことなく、李政権は性急にかつ一方的に、国民の総意形成もなく、北朝鮮に対する危険な軍事的・経済的・外向的な対抗措置を発表した。

市民の皆さん!
 平和と関与政策が一貫して追求されていた頃に、このような軍事的緊張を目の当たりにしただろうか? 現在私たちは岐路にあり、国家の安全保障問題が権力政治のために乱用され人々に真実を隠蔽していた、その冷戦期の冒険主義的政治・外交に戻るのかどうかを決める必要がある。この無謀なアプローチを、未来志向の平和的現実主義と比べてごらんなさい。後者は民主主義的過程を強調し、行政と軍事部門による権力乱用に抑制と均衡を与え、挑発的なスローガンよりは平和と共存のため方法を求めるものだ。

この点から、私たちは下記の意見を表明する。

 第一に、南北コリアの両方が即座に軍事対立をやめるべきである。なぜならそれが朝鮮半島を戦争と経済危機に至らせるからである。南側は、北コリアに対するその一連の危険な軍事的方策と経済制裁を撤回すべきである、なぜならそれらは、なんら社会での討論も、国会内の審議も、関係各国との話合いもなく公布され施行されたからである。さらに北側もまた、挑発的な言葉と過激な軍事行動を控え、その代わりにこの戦艦の事件についての真実を発見する理性的な過程に協力すべきである。

 第二に私たちは、この事件の事実を明確にするための追加の方策を採ることを韓国政府に求めるが、それらの方策は戦艦天安号の沈没に関し残っている幾つかの疑問に答えられるものであるべきだ。

 第三に、韓国政府とマスメディアの両方とも、近づく地方選(6月2日)での自らの既得権益を伸ばすためにこの事件を操作すべきではない、なぜなら地方選は、韓国市民の社会福祉に直接関係しているからだ。政府と与党は、事件の調査結果を時期尚早に公表すること、また無謀な軍事対抗措置を発表することが、なぜ必要であったのかを説明すべきである。加えて(この出来事に関する)政府の報告と措置について合理的疑問を挙げているに過ぎない有権者に圧力を加えるため、多大な政治的・法的権力を乱用することを直ちにやめるよう、私たちは政府に求める。

あなたに訴えます!
 現在の朝鮮半島の危機は、私たちの意図したものでないのに発生したが、しかし私たちには、この問題の真の原因を解明し、それを適切な方法で解決するための手段を求める責任が当然にある。それは私たちの今後の民主主義と平和に直接関係している。平和を達成するため、私たちの叡智と勇気を奮い起こす時だ。

 5月29日午後3時に、真実を暴き、朝鮮半島に本当の平和を達成するため、私たちの意思を示そう。今日から始めて、毎晩、この半島に平和のキャンドルを掲げよう。6月2日選挙の日に、私たちは、この国の現在の状況と今の政権下のこのときを、市民としての義務の良識で裁き、私たちのための民主主義・共存・平和に向かうこれからの道を切り開くだろう。

2010年5月26日

91の市民団体、5つの(国会内)野党、104名の個人