日本パレスチナ医療協会のメルマガ転載します

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まさか、ここまでやるとは思いませんでした。イスラエルのネタニヤフ右派政権が、最近、国内の人権団体に対する圧力を強めたり、外国人の入国を極度に嫌う傾向を強めていることは、多くのメディアが報じていました。しかし、ガザ地区の人々に医薬品や住宅再建のための資材を届けようという世界の市民たちが組織した船団に、重武装の特殊部隊員が奇襲をかけ、数十人の死傷者を出す。こんなことが起こるとは予想しませんでした。

情報が多すぎて、整理しきれていませんが、乗船者は700人に近く、トルコ人が突出して多かったといいます。トルコは、中東では数少ないイスラエルの友好国で、アラブ側との交渉を仲介するだけでなく、共同の軍事演習までしたことがあります。

ガザ救援船団攻撃の意図はどこにあったのでしょうか。

イスラエルアメリカを含む世界各地で、31日から1日にかけ、抗議デモや集会が行われました。

国連安保理は、人道目的の船団に対する公海上の襲撃を非難し、ガザ封鎖解除を求める議長声明を採択しました。アメリカの反対でイスラエルを直接名指しできなかったのですが、その主旨はあきらかです。それにしても、オバマ政権は腰が引けています。

それでも非人道的なガザ封鎖は続くのか、新たな展開が見られるのか、メルマガ編集部も注視し続けます。

昨日、当協会の抗議声明を掲載しましたが、本日その英語版が出来ました。イスラエルパレスチナを含む、世界各地に発信する予定です。

以下、ガザ救援船団攻撃事件関係の続報です。

〈注1〉07年6月、ハニヤ氏はアッバース大統領によって首相を解任され、ファイヤド氏が首相に任命されました。また、アッバース大統領の任期は、昨年1月9日で切れています。法的には、3氏の地位とも問題をかかえています。しかし、パレスチナ自治政府は事実上分裂しており、アッバース氏は、大統領としての権限を行使、ハニヤ氏はガザ政権、ファイヤド氏は西岸政権でそれぞれ「首相」としての職務を行っています。このため、引き続き、ハニヤ氏、ファイヤド氏にはいずれも「首相」、アッバース氏には「大統領」のタイトルを付すことにします。
〈注2〉各ニュース記事末尾の(カッコ)内は、その主なニュース源です。必ずしも、元の記事の翻訳や抄訳ではありません。とくに断らない限り、Webサイト上の情報です。日本語ニュースの場合、固有名詞の標記は、編集者の判断で変えることがあります。

【6月1日(火)】
■エジプト、ラファハ検問所を開放■
ムバーラク・エジプト大統領は、ガザ地区へのエジプト側出入り口であるラファハ検問所の開門を命じた。人道目的の支援物資や治療を受ける患者などの通過を認めるもので、ガザ支援船団急襲を受けた措置。エジプトに対しては「イスラエルのガザ封鎖に協力している」との批判がある。(6/1 毎日)

■作戦の失敗?■
イスラエル紙イディオト・アハロノト(電子版)は「予想できた大失敗」という見出しの記事を掲載。乗船せずに船団を阻止する努力や警告発砲による抑止が十分でなく、「武力の使い方を誤った」として、バラク防相を批判。ガザ封鎖を解くよう求めた。(6/1 毎日)

■◆安保理、ガザ救援船団攻撃を非難、イスラエル名指しは避ける◆■
国連安全保障理事会は同日未明(日本時間同午後)、ガザに向かっていた国際支援船団がイスラエル軍に急襲された事件を非難する議長声明を全会一致で採択した。

声明では、イスラエル武力行使で人命が失われたことに深い遺憾の意を表し、この事態を招いた行為を非難。イスラエルに拿捕(だほ)されている船舶と乗船していた人道支援活動家らの早期解放を求めた。また、十分な調査を求めた国連事務総長声明に留意、安保理としても不偏かつ信頼性、透明性がある国際基準に合致した調査を求めた。

声明はイスラエルを直接非難していないが、安保理議長国メキシコのヘラー国連大使は、理事会閉会後、記者団に「非難される行為はイスラエルの軍事行動」と明言した。調査を行うのも「国連が望ましい」と述べた。

声明は、また、ガザ地区の非人道的な状況に「深い憂慮」を表明、同地区への人々と物資の正常な出入りが保証される必要性を強調した。

国連外交筋によると、事件発生を受け、レバノンとトルコ、パレスチナ自治政府の要請で開かれた安保理の緊急会合は、公式記録に残る点で「報道向け声明」より重みがある「議長声明」とすることに異論は少なかった。

だが、イスラエル寄りの立場を取る米国がイスラエル非難を弱めるよう要求。5月31日午後1時に始まった協議は同日中に決着せず、月が替わって議長国がレバノンからメキシコに交代した後にようやく決着した。(6/1 毎日、国連のサイト)

国連の関連ニュース発表は、例えば、以下のサイトを見てください。ここでは、死者数を "at least 10 civilians" としています:
http://www.un.org/apps/news/story.asp?NewsID=34871&Cr=gaza&Cr1=
死者数は、メディアによって違い、船団を主催したFree Gaza Movement の次のサイトでは、"at least 16 civilians" です。http://www.freegaza.org/


【6月2日(水)】
■150人がガザ地区からエジプトへ■
エジプト政府は、治療が必要な患者などパレスチナ人150人が、バス2台でラファハ検問所を通過、エジプトに向かったと発表した。また、ロシアとオマーンから寄贈されたテント、毛布、13台の発電機などを積んだトラック4台が、同検問所からガザ地区へ入った。(6/2 AP)

イスラエル、救援船団の活動家追放を加速■
イスラエル当局は、先に拿捕したガザ救援船団の乗船者追放を急いでいる。これまで(日本時間18時ごろ)に、約200人のトルコ人活動家がバスで国際空港に運ばれ、強制送還、また、イスラエルと国交がない諸国のイスラーム教徒124人が、アレンビー橋経由でヨルダンへ追放された。

約300人の乗船者がイスラエル南部に収監されているが、当局は、大部分を速やかに追放する予定だという。

追放された乗船者たちは、APの取材に対し、当局者が、拘留中、彼らに暴力をふるい、水や食料、トイレも拒否したと語った(6/2 AP)

イスラエル内務省によると、イスラエル人やパレスチナ人、身元を明かさない者も含むと、乗船者は計約700人に上る。身元不明者は拘束が続くとみられる。国籍は37カ国で、トルコに次ぎ、ギリシャ(38人)、英国(31人)アルジェリア(28人)が多い。日本人はいない。

救援船団奇襲の際殺された犠牲者9人のうち、少なくとも4人がトルコ国籍だと判明した。

軍はこの日、船団の積み荷を降ろし、トラック約20台分の支援物資をガザに運び入れた。医療機器などがあったという。(6/2 毎日)

アイルランドのガザ救援船は航行を続ける■
アイルランドのガザ救援船「レイチェル・コリー号」は、31日の事件にもかかわらず、航行を続け、間もなく、先の船団襲撃事件が起きたイスラエル海軍の封鎖地点に近づく見通し。

救援船に乗っているデレク・グラハム氏は、死者が出た先の事件後「われわれはミーティングを開き、ミッションを続ける一層の決意を固めた。私は、乗組員と乗船者に、(イスラエル兵が乗りこんできたら)静かに床に座り、両手を広げて(何も武器を持っていないことを)見せ、われわれの方が彼らを襲ったという口実を与えないように注意する」とアイルランド放送に対して語った。

「レイチェル・コリー」は、ガザ地区で住宅の破壊に向かっていたイスラエルのブルドーザーの前に立ちふさがり、引き殺されたアメリカ人女性(当時23)の名前。同船には、ノーベル平和賞受賞者を含む15人が乗船、医療器材、学用品やセメントを積みこんでいる。

アイルランドのブライアン・コウエン首相は、ガザへの安全な寄港を認められるべきだと語った。(6/2 Haaretz)


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■□ 抗議声明(英語版) □■
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Strong Protest against the Recent Israeli Attack on the Relief Flotilla
  
June 1, 2010

On May 31st, heavily armed mighty Israeli Forces attacked the flotilla heading for Gaza in order to deliver relief cargoes on the Mediterranean high seas, killed some ten passengers
and injured dozens of others, according to reports by news media. The Israelis captured the vessels, detained all the passengers and confiscated around ten thousand tons of cargo.

This is nothing but an international criminal act which is tantamount to an act of piracy by a state.

The Free Gaza Flotilla was composed of several vessels carrying some six hundred human rights and relief activists, politicians, journalists and others of various nationalities. It was sailing to Gaza port to deliver cement, prefabricated housing, water purifiers, medical equipment, medicine, food and other materials badly needed by the impoverished Gazan people. This was a humanitarian and peaceful action to alleviate their suffering.

As is well-known, the Gaza District had been suffering under the long lasting siege even before it was attacked by the Israeli Forces which launched "Operation Cast Lead", killed and injured thousands of Gaza inhabitants, destroyed many buildings and much of infrastructure. Numerous Gazans have been sustaining malnutrition, illness and extremely poor daily lives; patients are being denied proper treatment and youths being deprived of sufficient education because of the endless blockade.

The relief flotilla was conceived as a protest against this brutal siege of the Gaza District, to ease the people's pain, and to bring some hope to them. Attacking the relief boats on the high seas represents a challenge for international public opinion to strongly condemn this inhumane blockade.

People of the world will never forgive this brutal attack on this peaceful mission by the Israeli Forces. Hence, the Japan Palestine Medical Association strongly protests against this heinous act committed by the Israelis and ask the Israeli Government to take the following actions:

■ Apologize to the victims and compensate the loss.
■ Swiftly release all the captured boats and the detained passengers.
■ Investigate the case and punish those who are responsible.
■ Accept thorough investigation of the incident by international bodies
■ Lift immediately this inhumane blockade on Gaza


Japan Palestine Medical Association (JPMA)
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TEL: (81)90-2167-4802
2-6-5 Motokitakata, Ichikawa City, Chiba, Japan 272-0816
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