トーマス記者

ホワイトハウスの名物記者が引退—イスラエル関連発言で
【Wall Street Jurnal日本版】
ホワイトハウス担当の名物記者ヘレン・トーマス氏が7日、引退した。あるインタビューでイスラエルユダヤ人は「パレスチナから出て行くべきだ」とし、ドイツでもポーランドでも米国でも帰れなどと述べたが、その動画がインターネットに掲載され、物議を醸していた。
 トーマス氏は4日、自身のウェブサイトで発言を後悔しているとし謝罪した。同氏は発言について「中東の平和はすべての当事者が相互の尊重と忍耐の必要性を認識した時にのみ訪れるというわたしの真意を反映していない。その日が近いことを期待する」と釈明した。
 トーマス氏は89歳でケネディ政権から歴代の大統領を取材してき伝説的な女性記者だが、7日はホワイトハウスの記者会見室には姿を見せなかった。ホワイトハウスのギブズ報道官は同氏の発言について「侮辱的で非難に値する」と述べた。
 この発言を受け、トーマス氏と契約していた講演者斡旋所は契約を解除したほか、首都ワシントン郊外の高校では卒業式での講演を取りやめた。
 大統領と年1回夕食会を開催することなどで知られるホワイトハウス特派員協会は、トーマス氏の引退報道前に、声明を発表した。同協会はこの中でトーマス氏の発言を「悲しむ」としたほか、コラムニストが記者会見室の最前列に座るのは適切かという問題を再検討するとしていた。
 トーマス氏は長くUPIに所属していたが、2000年からハースト・ニューズ・サービスのコラムニストを務めていた。

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今回の出来事は、アメリカとイスラエルが、どれほど親密、というよりも一体化しているのかよくわかります。イスラエルが蛮行・殺戮に明け暮れても、イスラエルは誰からも裁かれないのです。
彼女の発言の背後には、今回のイスラエルパレスチナ支援船への攻撃やらがあるわけだけれど、それには一切触れずに、彼女の発言の一部をネット上で流してゆくのです。
そして、それに乗っかって、この国のマスコミは彼女の発言を「失言」と報道してイスラエルを暗に擁護するのです。
古い時代を背負って生きる彼女が、ネット時代のカラクリにやられてしまったという意味でも、鵺時代を象徴していると思います。

http://democracynow.jp/submov/20090113-1/
デモクラシー・ナウ!では、09年1月13日に彼女にインタビューしています。是非、御覧ください。
また最新ヘッドラインでも取り扱っています。